http://d.hatena.ne.jp/actus/20090824/1251106044

役員賞与を否認されると

http://ho.law110.jp/200/03syouyo.html

記事転載役員賞与は法人税法上、損金不算入

法人税法上、法人が役員に対して支払う賞与は原則として全額損金不算入となります。

なお、法人税法上の賞与とは、盆暮れのいわゆるボーナスを指すわけではなく、毎月一定額の支払いが行われる給料以外の全ての報酬を指します(退職金等を除く)。

そのため、役員への給料支給額が年度の途中で変わった場合や、利益水準を見て変動する場合等は、その変化した部分はすべて賞与として取り扱われ、損金不算入とされてしまいます。


この役員賞与の損金不算入の制度は、役員の報酬を都合よく動かすことで、法人税の節税をすることを防ぐために設けられている制度です。

法人税の節税を考える場合には、将来の利益計画を見極めながら、役員報酬の水準を決めていくことが重要です。


※なお、平成18年度改正で、役員賞与の事前届出により、役員賞与が損金算入できる制度が設けられています。ただし、事前届出により賞与の支給時期・支給額を確定させておく必要がありますので、あまり使い勝手は良くないかもしれません。

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記事転載http://www.m-accounting-firm.com/corporation-tax/yakuinshouyo-point/

役員賞与とされた場合:税務調査のポイント

約 6 分法人税

役員給与とは

このコーナーで何度もご紹介している通り、法人税法上、役員給与は原則として損金の額に算入されません。
但し、「定期同額給与」「事前確定届出給与」「利益連動給与」に該当し、かつ、適正な経理の基、不相当に高額でない場合については、損金の額に算入することができます。
>>「役員給与」についての詳しい内容は、こちらをご覧ください。

税務調査で役員賞与と認定される場合とは

税務調査において、この経費は「役員の個人的なものである(利益供与といいます)」という判断の基、その支出を、役員に対する賞与として否認するケースが多々あります。

では、どういった場合、役員賞与とされるのか。また、役員賞与と否認(認定)された場合のリスクはどのようなものがあるのかをご紹介します。
事例の内容をクリアできれば、役員賞与としての否認(認定)のリスクを回避することができます。

(1)役員報酬が適正でないとき

役員給与は、一定の要件を満たして初めて損金の額に算入することができます。

定期同額給与の場合

例えば、毎月50万円を役員報酬として設定している場合、業績が良かったことを理由にある月だけ80万円を支給したとします。
この場合、30万円(80万円-50万円)は、役員賞与として否認されることとなり損金の額に算入することができません。

また、逆に、資金繰りの都合等から支給額を減らした場合においても、明らかな業績悪化以外の場合は認められません。
この場合、その減らした金額が定期同額給与のベースとなり、その超える金額を役員賞与として否認されます。

例)毎月50万円を役員報酬として設定。
  半年経過時に、資金繰りの都合から、毎月の支給額を30万円に減額。
  (著しい業績悪化ではないことを前提とします。)
 
 この場合、定期同額給与のベースは30万円とされますので、
 (50万円-30万円)× 6月 = 120万円 、が役員賞与となります。

事前確定届出給与の場合

事前確定届出給与とは、所定の時期に確定額を支給する旨を記載した届出書を、予め納税地の所轄税務署長に提出し、その届出書の内容通りに支給した場合に限って、損金の額に算入することができます。

したがって、届出書に記載した、支給日、支給額、の何れか相違すると、役員賞与として損金不算入となります。

その他の場合

上記の要件は満たしているものの、経理処理が不正であったり、また、支給額が不相当に高額であると認められる場合には、一定の金額を役員賞与として損金不算入とされます。
これについては、「役員退職金について」の記事をご覧ください。

(2)売上の計上洩れがあるとき

得意先からの売上について、その計上が洩れている場合に役員賞与と認定されることが多くあります。

代金の決済を預金振込としていれば、仮に洩れていたとしても、入金の事実を確認できれば役員賞与とはなりません。
役員賞与と認定されるのは、現金受領の場合が要注意となります。

つまり、現金にて売上金額を回収したものの、その代金について、会社の現金出納帳に入力せずに、その行方が不明となった場合は、必ずといっていい程、指摘されます。
これは、意図して行った場合、うっかり現金出納帳への入力を失念していた場合、いずれにおいても該当します。

この場合、売上金額相当額が、役員賞与として損金不算入となります。

(3)経費の支出が妥当でないとき

これは、交際費等に多く見られます。
本来は役員が個人で負担すべきものを、会社が支払っている場合には、役員賞与とされます。
これについては、特に言及する必要もないかと思われます。

税務調査で役員賞与と認定された場合の税務リスクとは

上記の(1)(2)(3)の事象により役員賞与として否認(認定)された場合には、

  • 1.重加算税の対象になることが多い
    次回の調査時期が早まるとともに、重加算税の対象となった旨が税務署の履歴に残ってしまいます。
  • 2.法人税の追徴税額が発生する
    これには、期間利息として延滞税等の附帯税も同時に課されます。
  • 3.役員賞与と否認された金額に対応する源泉所得税が発生する
    法人税と同様に、期間利息として延滞税等の附帯税も同時に課されます。
  • 4.役員個人において、役員賞与と否認された金額に対応する所得税が発生する
  • 5.場合によっては、消費税の課税も生じる
    経費を否認して役員賞与とした場合は、経費に掛かっていた消費税が認められないことになります。

したがって、役員賞与として否認(認定)された場合には、「法人税」「源泉所得税」「所得税」「消費税」の課税関係が生ずることとなり、ダメージが大きくなります。

税務調査で役員賞与と否認(認定)されないためには

日常の会計処理においての注意点

これは言うまでもありません。
法人の経理処理をきちんと行うことに尽きます。

現金や預金の管理を行っていれば、自ずと売上の計上洩れは防ぐことができます。
また、支出面においては、必要経費の概念をきちんと押さえ、個人で負担すべきものは個人払いとし、法人で負担すべきものに限って、法人の経費とすることを意識してください。

日頃からきちんとした処理を行っていれば、税務調査で慌てることもありません。

役員賞与と認定された場合の対処方法

税務調査官との見解の相違やその他の理由によって、役員賞与と否認(認定)された場合には、正当な主張を行うことも、会社を守るためには必要となります。

裁決事例(平成22年12月 国税不服審判所)によると、役員賞与として否認(認定)するためには、

  • 1.役員が何らかの形で、経済的利益の供与を受けること
  • 2.役員が経済的利益を受けたことについて、課税庁側が立証すること
  • 3.少なくとも、1.2.を推認できる事実を、課税庁側が立証すること